2020年10月 欅平ビジターセンター STAFF BLOG

欅平ビジターセンター
STAFF BLOG

欅平ビジターセンター STAFF

欅平ビジターセンター
〒938-0200
富山県黒部市宇奈月町黒部奥山
TEL:0765-62-1155
 
黒部峡谷の景観とそこに生息する動植物の紹介。黒部峡谷の誕生や歴史・地形・地質・景観・動植物・登山ルート、峡谷と人間の関わりをマルチイメージスライドにより紹介しています。

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あの白い山

秋も後半にさしかかってきたようで紅葉も見ごろとなり
先週末から周辺の山に雪が見られるようになりました。

sannnabiki_hiroba.jpg
(広場から見えるサンナビキ山)
そして今週
「あの白い山はなんですか」という質問が。急増。
ちょっと困るのが「どこ」から「どっち」を見たかわからないとき。
なかなかお答えするのが難しいことがあります。

tizu.png
ちょっと整理してみましょう。

karamatsu_a1.jpg 
karamatsu_a2.jpg
まずは猿飛遊歩道の途中(地図A)から見える唐松岳
一番右側のとがった部分が山頂と思われます。

sannnabiki_b.jpg
奥鐘橋(地図B)から見るサンナビキ山。
広場からだと右側のピークしか見えませんが橋から見るとピークがふたつ。
左側のピークを滝倉山、右側をサンナビキ山とすることもありますが
全体でサンナビキ山(もしくは滝倉山)とすることもあるようです。

tengu_c1.jpg 
tengu_c2.jpg
(2枚の撮影日違っててスミマセン。上の写真は10月中旬のまだ積雪前のものです。)
名剣温泉の先(地図C)から祖母谷川の上流方向に見える白い稜線。
唐松岳北側稜線の天狗の頭~不帰嶮(かえらずのけん)あたりではないかと。

takikura.jpg
もう少し進んでスノーシェッドを抜けたあたりから駅のほうを振り返るとサンナビキ山の左側のピーク(滝倉山)が少し見えます。

kekachi_d1.jpg 
kekachi_d2.jpg
名剣温泉から祖母谷温泉に向かう中間あたり(地図D)から川の下流、駅の方向をながめると毛勝三山の釜谷山~毛勝山あたりが白く浮き上がります。
(右側のピークは毛勝山ではなく手前の違うピークだと思われます。毛勝山の山頂はちょうどその後ろではないかと。)

karamatsu_e1.jpg 
karamatsu_e2.jpg
そして祖母谷温泉(地図E)まで来ると唐松岳の山頂が。
(これもまだ雪のつく直前の写真で^^;。今は白くなっています。)
猿飛遊歩道からだと山頂から北側のギザギザとした稜線が見えるのに対して祖母谷温泉からだと南西に伸びる少しなだらかな稜線が見られます。

ちょっとした角度でも見える場所は変わってきてしまいますが。
だいたいこんなところでしょうか。

春先の残雪が残る時期にもよく聞かれるのですが。
夏になって雪がとけ木々の葉が生い茂ってくるとほとんど聞かれなくなります。

でも。ちゃんとずっとそこにあるのですよ。

【開館時間*変更のお知らせ】 10月23日変更

10月24日より欅平ビジターセンターの開館時間を
平日のみ
午前10時から午後4時まで とさせていただきます。

土日祝日と11月2日(月曜日)につきましては
午前9時から午後5時まで 開館いたします。

引き続き、新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から館内の展示、休憩スペース等を一部縮小させていただいております。何卒ご容赦ください。
ご観覧の際は、マスクの着用、ほかのお客様との距離をとる、といった基本的な感染防止対策にご協力くださいますよう、お願い申し上げます。


20201023.jpg
今日は雨。
雨に濡れると色づいた葉が一層きわ立ちます。

いよいよ紅葉本番です。
あたたかくしてお越しください。

8℃のライン

今日の欅平。

20201022_1.jpg
(奥鐘山)
色づき具合は70から80%くらいでしょうか。
昨日の朝は富山県内の各地で今季の最低気温を更新したそうですが今日はちょっと暖かいです。

20201022_2.jpg
(アオダモの葉)
紅葉の進み具合が気になります。

「紅葉」と「気温」でインターネット検索すると
「最低気温が8℃以下になると葉は色づきはじめ、5~6℃以下になるとさらに急速に進む」
というような記述をたくさん見かけます。
8℃。。。出典は何処かしらとも思いますが。まことしやかにそういわれています。

20201022_3.png
去年より紅葉の進み方が早いような気がしていたので最低気温の変化を比べてみました。
といっても欅平の正確な最低気温は記録されていないのでアメダスの記録のある魚津の最低気温からざっくり3℃差し引いて推定の最低気温としました。(^^;ちょっと乱暴な数字。)
どうでしょう。
見たかんじではあまり大きな差もなかったのでちょっとがっかりしてしまったのですが。
●今年は10月15日から昨日10月21日までしっかり8℃以下に冷え込んでいます。
●9月1日からの最低気温を積算するとわずかに(?)12℃ほどは今年のほうが寒いようです。
ちなみに去年は11月4日頃から11日くらいまでが紅葉のピークだったように思います。

直接欅平の気温を測定したわけではないので実際にはもっと冷え込んでいるかもしれませんし他の要素(最高気温や雨量などなど)にも紅葉の進み方は左右されます。
難しいです。
単純な方程式にはあてはめられません。
幾年も見守っていないと紅葉の予想はできませんね。

20201022_4.jpg
(名剣温泉先から欅平駅方面)
周囲の山の上半分はかなり色づいています。
欅平の紅葉の見頃宣言もまもなくでしょう。

20201022_5.jpg
紅葉の見頃よりひとあし先に外壁の塗り替えが終わってキレイになったビジターセンターで皆様のお越しをお待ちしております。

小さな赤

日に日に秋が深まっています。
紅葉も日毎に色を変えるので毎日が違う景色。

20201017_1.jpg
猿飛遊歩道から見た奥鐘山。

20201017_2.jpg
山頂付近はかなり色づいています。

20201017_3.jpg
駅前広場から対岸を見ると所々に赤い葉も目立ち始めました。

20201017_4.jpg
赤く紅葉する木といえば ナカマナド が有名なのですが。
欅平のものは(去年もそうでしたが)葉がチリチリに枯れてしまって。キレイな紅葉は見られそうにありません。
赤い実はキレイに熟しています。

20201017_5.jpg
ナナカマドと同じく羽状複葉で赤く色づいているのがヤマウルシ。よく目立ちます。

20201017_6.jpg
大きな丸い葉は オオカメノキ

20201017_7.jpg
ハウチワカエデも部分的に赤くなっています。手前のほうはまだまだ緑色。

20201017_8.jpg
ヤマモミジ。なんなのでしょう。このポツリポツリと赤い葉が点在するのは。
同じ木の同じ枝で赤くなる葉とならない葉の理由が知りたいです。

20201017_9.jpg
ひときわ赤いヤマブドウ。つる性なので他の木の樹冠におおいかぶさっていると大きな赤い葉が遠くからでも目立ちます。

他にも足元の小さな草の葉も部分的に赤く紅葉していたりするので見つけてみてください。

完全に赤や黄色に紅葉してしまった葉はまもなく落葉します。 参考※紅葉と落葉の話
今日見た景色は今日だけの色。
ぜひ一期一会の景色をご堪能下さい。


ビジターセンターの外壁工事

本日より
欅平ビジターセンター外壁の塗装補修工事が始まりました。

20201014_1.jpg
通常通りご来館いただけますが
ご入館の際やお近くを通行する際にはご注意ください。
工期はおおよそ2週間程度を予定しております。
何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

20201014_2.jpg
気になる紅葉は。。。
全体的にはまだまだですが広場横のサワグルミの木の黄葉と落葉が加速してきました。

徐々に秋の色が深まっていく過程も美しいですよ。
皆さまのご来峡をお待ちしております。

ブナとミズナラ

10月です。

VC前広場
まだ紅葉には程遠いですが真夏の緑は影を潜め
やや黄色がかったりぽつりぽつりと赤い部分も見え始めました。
昨年は例年に比べると1週間から10日ほど紅葉のピークは遅れました。
はたして今年は。如何なりましょう。

紅葉や落葉は植物にとって 来年の準備
色が変わった部分は普通に黄葉している葉もあるのですが、傷んでしまったのか落葉を急いでいるものもあるようです。

ブナ落葉木
猿飛遊歩道途中のブナの木。
なぜだか今年はすでに葉を落としてしまったものが目立ちます。
(まだ葉をたくさん残している木もありますが。)
冬芽はちゃんと出来ているようなので枯れてしまったわけではありません。たぶん。

紅葉も気になるところですが
今年もっと気になっているのがブナの凶作。2年連続の凶作。

ブナ堅果
昨年みつけたブナの果実。
ほとんど見つけられないくらい数も少なかったのですが
やっと見つけても中の堅果が膨らんでいませんでした。

ブナの結実が豊作となるかどうかに周期性があることはよく知られています。
おおよそ5~7年に1回程度豊作となり、その他の年は並作や凶作となります。
今年は去年以上に果実が見つかりません。
富山県だけでなく近隣の長野、岐阜、愛知でも同じ状況とのこと。

ミズナラ堅果
今年みつけたミズナラの果実。どんぐりです。
猿飛遊歩道でころころと所々に落ちています。が。
こちらも去年に比べると格段に少ないようです。

河原園地ミズナラ
河原園地のミズナラの木。
ミズナラの実のつき方にもやや周期性はありますが、ブナほどシビアではなく、地域差や個体差も大きいので全く実らないということはなさそうです。

ブナの実もミズナラの実も
野生動物にとってこれから長い冬を越すための貴重な栄養源となります。
クマの行動にも影響してしまうかもしれませんね。
心配です。

アゲハモドキ

10月のはじめ。猿飛遊歩道にて。

agehamodoki1.jpg
足元になにか白いものが。

agehamodoki2.jpg
なんだ何だ???

agehamodoki3.jpg
横から見た形。

一瞬ゴミかと思ったのですが。どうやら生きもののよう。
調べてみたところアゲハモドキの幼虫でした。

アゲハモドキ???

agehamodoki4.jpg
これだ!
6月に宇奈月駅のホームで出会いました。

agehamodoki5.jpg
この時はちょっと適当に調べてて^^;。「ジャコウアゲハかなー」なんて思っていたのですが。
違いましたね。
アゲハモドキです。

ジャコウアゲハは蝶。アゲハモドキは蛾の仲間で触覚の形がよく見ると違います。
あと大きさもアゲハモドキのほうがだいぶ小さめ。
でも。色や模様がそっっっくりなのです。 ※成虫は。 幼虫は似ていません。

ジャコウアゲハは毒のある蝶として有名。
その幼虫はウマノスズクサの葉を食べて育ちます。ウマノスズクサの仲間には毒になる成分が含まれており蝶になってもジャコウアゲハの体内に残ります。

アゲハモドキの幼虫はミズキ科などの葉を食べて育ち毒は作られません。
毒は無いのに毒のある他の種の姿に似せて「毒があるんだぞ!」と敵を脅して身を守っているというわけです。←ベイツ型の擬態といいます。
自然界ではよく見られる擬態の一種で。他にはハチやカエル、ヘビなどにも例があります。
アオダイショウの子供がマムシの模様にちょっと似ていたりするのもこのタイプの擬態です。

agehamodoki6.jpg
9月にビジターセンター裏のウリノキの葉にいたアゲハモドキの成虫。
欅平でも成虫確認してました。

まんまと騙されました。
・・・違いますね。ちゃんと調べましょう。というお話。


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