2020年09月 欅平ビジターセンター STAFF BLOG

欅平ビジターセンター
STAFF BLOG

欅平ビジターセンター STAFF

欅平ビジターセンター
〒938-0200
富山県黒部市宇奈月町黒部奥山
TEL:0765-62-1155
 
黒部峡谷の景観とそこに生息する動植物の紹介。黒部峡谷の誕生や歴史・地形・地質・景観・動植物・登山ルート、峡谷と人間の関わりをマルチイメージスライドにより紹介しています。

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クスサンのいる風景

少し前のこと
ビジターセンター朝の開館前です。

20200928_1.jpg
我々より先に来て開館を待っておられるお客様が。(違うか^^;。)

20200928_2.jpg
クスサン♀です。
ヤママユガ科の巨大な蛾です。

  20200928_4.jpg
  そういえば7月にまだ幼い頃の姿をお見かけしていました。
  その長い白毛から「シラガタロウ」と呼ばれるそうです。
  名前の通りクスノキの葉も食べますしクリなどの葉も好きなのだそう。
  比較的なんでも食べる種類の毛虫です。
  大量発生すると果樹栽培などには被害がでることも。
  毒はないのですが刺されたら多少痛いかもしれません。

20200928_3.jpg
そして9月。大人になったのですね。
成虫は羽化するとすぐ1~2日くらいの間に交尾をして雌は産卵します。
蛾の姿で生きられるのはわずか5日ほど。その間エサはとらないので口はありません。

夏の終わりから秋にかけてヤママユガ科の大型の蛾の成虫をよく見つけます。
 去年見つけた→ ヤママユの成虫
多くのものは夜行性なので活発に飛んでいる姿というよりは朝などに建物の壁にとまって休んでいる姿を見つけます。

20200928_5.jpg
よく見れば軒下にも。交尾中の2頭が。
珍しいですね。もう朝なのに。

20200928_6.jpg
建物の中から見るとこんな感じ。
ちょっとピントが微妙なのですが。たぶん右側が♂。

20200928_7.jpg
たまにはこんな窓からの景色も。
いかがでしょう。


黒部峡谷自然観察会を行います 【10月26日 月曜日】

                               

* 定員に達しましたので募集は締め切らせていただきました。 *

 来年度も開催を予定しておりますので、
       来年、またのご応募をお待ちしております。

                               


欅平ビジターセンター運営協議会では、
10月26日(月曜日)に欅平周辺で自然観察会を開催します。
自然観察会_2020夏

ルートは欅平から祖母谷温泉を予定しています。
先着10名。
申し込み締切りは10月14日(水曜日)ですが、
定員に達した時点で受付を終了いたしますのでお早めに。

お申込み、お問い合わせは→黒部市役所商工観光課内・協議会事務局まで。

菊日和

この4連休の最終日は秋分の日。
お彼岸ですね。
暦の上でも季節の節目。
これからどんどん秋も深まります。

日本の秋の花といえば「菊」でしょうか。
花屋さんで売られている様々なキクも思い出されますが。
欅平周辺でこの時期に花が見られるキクの仲間をご紹介。

20200921_1.jpg 
20200921_2.jpg
まずは。秋といえばのアキノキリンソウ。
鮮やかな黄色で草丈が大型のものは花もたくさんつくので良く目にとまります。
小型のものは高山に咲くミヤマアキノキリンソウとよく似ています。
が。欅平のものはアキノキリンソウ。
。。。と思います。※正直あまり違いはない。
ちなみにミヤマアキノキリンソウの別名はコガネギク。
どちらもまさしく黄金色。

20200921_3.jpg 
20200921_4.jpg
うっすらと紫色のノコンギク。
山や里の野菊の代表ともいえる花です。
葉をさわるとザラザラするのがポイント。
よく似たヨメナはあまりザラつきません。
「野菊のような人だ」の野菊はノコンギクだという説も。

20200921_5.jpg 
20200921_6.jpg
ちょっと特徴的なところでチョウジギクです。
花のつき方がスパイスの丁字(クローブ)に似てるからの名前です。
高山に咲くウサギギクの仲間で
別名がクマギク。。。ウサギでクマなのか。。。

渓流沿いや谷筋などに多いようで
見つけたのは祖母谷方面道路の名剣温泉の先。雪崩沢あたり。
春先に スノーブリッジ ができるあたりの道端。
 ※今年は雪が少なくて見られませんでした。(T-T)
水が崖を流れ落ちる周辺にまとまって咲いていました。

キク科は植物の中でもかなり多種多様に分化している大きな分類群です。
なかにはいわゆる菊の花っぽくないものもありますし
生育している環境の違いによっても色々。

色々見つけて比べてみるのも良し。
ただ見て愛でるのも。楽しい秋です。


下の廊下へ向かわれる方へ

今朝の宇奈月駅前。
20200915_1.jpg
警察の方々がなにやら。

20200915_2.jpg
注意喚起のチラシを配布しておられました。

昨年。黒部峡谷・下の廊下(旧日電歩道・水平歩道)では5名の方が命を落とされました。
そして昨日。
欅平から阿曽原へ向かわれた登山者の転落事故が発生してしまったのだそうです。

20200915_3.jpg
ビジターセンター横のパノラマルート(シジミ坂)登山道入り口。
色々と但し書きされています。

どんなに言葉をつくしても不幸な事故は無くならないのでしょうか。

どんな事故もちょっとした油断から引き起こされます。
これから紅葉に美しく彩られる黒部峡谷で悔やみきれない悲しい思い出を残されませんよう。
心よりお祈りします。


下の廊下の登山道情報は
阿曽原温泉小屋(登山情報)のページ
富山県警 山岳安全課
富山県警察山岳警備隊 Twitter
などをご参照ください。

登山届は インターネット などで事前に提出できるほか
■欅平駅 ■宇奈月駅 ■宇奈月温泉駐在所(交番)でも受け付けてもらえます。


稲の子ですか?

9月です。稲刈りの季節。
平野部の田んぼでは稲穂が黄金色に色づいています。
台風が猛烈なフェーンとともに夏を連れ去り欅平の空気も秋めいてきました。

20200910_1.jpg
ちょっと羊でも数えてみたくなる空。
賑やかな夏もいよいよ終わります。
そんなこの夏。ずっと欅平を賑わせていたのはこちらの方々。

20200910_2.jpg
ハネナガフキバッタです。
イナゴじゃないの?イナゴだよね?
という声が多数聞かれましたが。
結論。ハネナガフキバッタです。
バッタという名がつきますが一応イナゴの仲間。

20200910_3.jpg
あごの下、左右の前脚の間に「のどぼとけ」(のような突起)があります。
そもそもイナゴはバッタの仲間なのですが、この「のどぼとけ」があるものをイナゴ科として分けることもあるとか。
分類としては バッタの仲間>イナゴの仲間>フキバッタの仲間 という感じで。
まあ。ややこしい話はさておき。

20200910_4.jpg
イナゴの仲間とはいえ
いわゆる佃煮などにして食べるハネナガイナゴやコバネイナゴとはちょっと種類が違います。
なにより。イネを食べません。
「稲子」じゃない!

イナゴの名前の由来はイネを食べる(害虫)から稲の子。という説。
フキバッタはフキ(蕗)の葉を食べていたところから名づけられています。
実際にはハネナガフキバッタが良く食べるのはマメ科植物の葉など。
マメ科植物。。。クズ(葛)とか ハギ(萩) とか。。。
稲のような細長いものでなく丸っこい形の葉の草を食します。

20200910_5.jpg
生息場所もイナゴは平野部の水田にいますがハネナガフキバッタは山に多くいます。
今年の欅平のように時々大発生することもあるとか。
大豆などの農作物に影響ありそうですが大きな被害になることは少ないそうです。

「平野部の田んぼで農薬散布するから山に移動してきたのでは。」という意見もございましたが。どうなのでしょう。

20200910_6.jpg
トロッコ電車でも移動しておられたり(^^;)。
平野部のイナゴも山に来るかもしれませんね。


令和2年8月31日の自然観察会「1」

祖母谷地獄にて
令和2年8月31日の自然観察会
祖母谷地獄にて記念撮影! 少人数で開催しましたので、家族的な雰囲気があふれる一日でした。

令和2年8月31日の自然観察会「2」

名剣温泉付近にて
今年の自然観察会は、いまだに新型コロナウィルスの感染が収まらないですけど、感染防止対策を講じながら少人数で開催しました。下ノ廊下のミニチュア版ともいわれる祖母谷峡谷の説明・解説は八木先生と自然解説員にしていただきました。

マイマイガ

8月も終わるころ

maimaiga1.jpg
ビジターセンターの軒下に白っぽいモフモフの物体を発見。
あれは。。。マイマイガの卵(卵塊)ですね。

maimaiga2.jpg
ちょうどその少し前に宇奈月駅のトイレ軒下にて別の犯行現場を目撃しました。

maimaiga3.jpg
犯人はこの方。マイマイガの雌です。
卵の周りのモフモフは蛾の体の表面に生えている鱗毛と呼ばれるもの。雌は卵を産むと自分の体の毛を卵の周りにコーティングします。
たぶんこの個体も卵を産み付けたあとなのでしょう。おなかのあたり毛が無くなっています。そしてまもなく命を終えていきます。

※このモフモフ(鱗毛)。目に入ったりするとあまりよくないそうで。蛾もあまり素手では触らないほうが良いとのこと。お気を付けください。^^;さわってますけど。

maimaiga9.jpg
ちなみにこちらが雄。雌とは色や形の雰囲気が異なります。
雌はあまり活発に飛び回りませんが雄は活発。
舞い踊るように飛び回ることから「舞舞蛾」。
英語ではGypsy Moth。ジプシーか。。。

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最近では大量発生をしたときなど住宅の外壁に卵を見つけることが多いのですが自然の状態では樹木の幹などに産み付けられます。
地面から1mほどの場所に多いとのこと。

maimaiga5.jpg
これはビジターセンター裏のケヤキの木。

卵の状態で冬を越し翌春に毛虫が誕生します。
生まれた毛虫は糸をはいてぶら下がる様子からブランコ毛虫と呼ばれます。
ビジターセンターの軒下にはベンチがありますので春になって毛虫が落ちてきたら大変です。閉館する前に取り除かなければ。。。
※※
と思っていたのですが。10月。外壁の補修工事の際に取り除いていただけました。
※※

マイマイガはおよそ10年周期で大発生することが知られています。
毛虫はほとんどの樹木や草の葉を食べることのできる広食性で大発生すると被害の出ることもありますが2、3年で寄生虫やら病気やらで個体数が自然に減るのだそう。
生態系に備わった不思議な調節機能が働いているのですね。

時期的にはそろそろ。来年か再来年あたり大発生する
かもしれませんよ。


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嵐の前の

先ほど
猿飛遊歩道の通行止めが一部解除となりました。
河原園地までの通行が可能です。
どうぞ落石や熱中症、感染症にご留意の上お楽しみください。

広場
欅平で一番暑い場所=駅前(ビジターセンター前)広場です。
今日のように強い日差しが照り付けていると。。。危険な水準。
さらに
台風が富山の西側を北上するとフェーン現象で南からの熱風が襲い掛かります。

台風の季節です。
大きな被害のありませんように。



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