2020年07月 欅平ビジターセンター STAFF BLOG

欅平ビジターセンター
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欅平ビジターセンター STAFF

欅平ビジターセンター
〒938-0200
富山県黒部市宇奈月町黒部奥山
TEL:0765-62-1155
 
黒部峡谷の景観とそこに生息する動植物の紹介。黒部峡谷の誕生や歴史・地形・地質・景観・動植物・登山ルート、峡谷と人間の関わりをマルチイメージスライドにより紹介しています。

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【開館時間*変更のお知らせ】

「黒部峡谷鉄道トロッコ電車」の通常ダイヤによる運行再開(減便運行の終了)に伴い
8月1日より欅平ビジターセンターの開館時間を
午前10時から午後4時まで とさせていただきます。

引き続き、新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から館内の展示、休憩スペース等を一部縮小させていただいております。何卒ご容赦ください。
ご観覧の際は、マスクの着用、ほかのお客様との距離をとる、といった基本的な感染防止対策にご協力くださいますよう、お願い申し上げます。


広場
サンナビキ山は夏の色。
暑いです。欅平。
感染症にも
熱中症にも
どうぞ気を付けて黒部峡谷をお楽しみください。

黒部峡谷自然観察会を行います 【8月31日 月曜日】

欅平ビジターセンター運営協議会では、
8月31日(月曜日)に欅平周辺で自然観察会を開催します。
自然観察会_2020夏

ルートは欅平から祖母谷温泉を予定しています。
先着10名。
申し込み締切りは8月19日(水曜日)ですが、
定員に達した時点で受付を終了いたしますのでお早めに。

お申込み、お問い合わせは→黒部市役所商工観光課内・協議会事務局まで。

夏模様の蝶

IMG_7183.jpg
本日のお客様は、雨宿りのためセンター外ベンチにいらっしゃった「サカハチチョウ」(タテハチョウ科)です。春と夏とでは色合いが異なり、今日のお客様ははっきりした夏型でした。早く本格的な夏になってほしいですね。

ピカピカの

暑いです。
まだ梅雨明け宣言は出されていませんが「暑い」という声が聞こえてくるようになりました欅平。
先々週あたりまではまだ曇りの日などは肌寒かったりしたのですが。
曇っていても蒸し暑いです。
どうぞ感染症だけでなく熱中症にもお気を付けください。

さて。
今年もやってまいりました。
飛び込みのお客様 2020です。

20200722_1.jpg
オオセンチコガネ様。
今年もいらっしゃいましたね。お元気そうで何よりです。

20200722_2.jpg
あ。去年の方とは違う。まあそうですよね。
つぶらな瞳でお答えいただいたようで。

20200722_3.jpg
えっと。こちらのお客様はいかがなさいましたか。
前日ご来館されて出られなくなってしまいましたか。

20200722_4.jpg
とりあえず外へ。
おや。キレイな金属光沢ですこと。
タカネトンボ様ですか。
高嶺(たかね)という名前ですが標高の低いところにもけっこういらっしゃるとのこと。

20200722_5.jpg
陽の光をあびると美しいですね。ピカピカです。
大きな眼も水色に輝きます。まさしくトンボの眼鏡。
というよりサングラスかな。スポーツタイプの。

コガネムシやトンボなど金属のような光沢をもつ昆虫がいます。
これは構造色といって色素による発色だけではなく表皮などの構造によって光が反射やら干渉やら○○とか□□とかして光るのだそう。
…調べてはみたもののいろいろ物理用語が飛び交ってきたので挫折しました。
興味のある方はお調べください。
身近なものではCDの光沢とか。

で。なぜこの光沢があるのか。という理由。
なにかしらこの光沢があると生きていくうえで有利なことがあるからこのように進化したのだと思われますが。これもまた諸説あり。
興味のある方はお調べください。(再び)
熱帯のほうでピカピカの昆虫が多いようなので太陽光を反射させて捕食者から逃れるのに役立っているのでしょうか。想像です。

20200722_6.jpg
理由はさておき。
やはりピカピカの体には太陽の光がよく似合います。
このタカネトンボ体が冷えていたのかしばらくここで羽根をばたつかせてから無事に飛び立っていかれました。
お天気よくなると良いですね。

と思って見送りましたが
タカネトンボは森林内の薄暗いところが好きなのだそう。
ふーん。。。そうなんだ。


夏の使者

天気予報があてにならない今日この頃ですが皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今現在の欅平は晴れています。でも予報は雨。
富山県の梅雨明けの平年は7月24日とのことですが今年はいかがなりますか。
まだまだ大雨にも油断はならないといったところですか。

20200716_1.jpg
雨の日の奥鐘橋。
天気のせいもありますし昨今の社会事情もありまして平日はお客様も少なく静かな時間が過ぎています。
ヒトのお客様は少ないのですが最近欅平をにぎわせているのがこのトンボ。

20200716_2.jpg
アキアカネです。
「赤とんぼ」の代表選手。でもまだ成虫になったばかりで成熟していないので赤くはなっていません。
この日は奥鐘橋の赤い欄干に大勢とまっておられました。

20200716_3.jpg
他の種類のトンボと見分けるポイントは胸部横(羽根の付け根の下あたり)の黒いすじ模様。
ちなみにこちらは雄。

20200716_4.jpg
こちらがたぶん雌。腹部(羽根の後ろから尻尾にかけて)にある黒い模様がはっきりしてるから。(自信無^^;)

名前は「アキ」なのに山では夏にたくさん見られます。
「トンボ」も「赤とんぼ」も秋の季語ではありますが
トンボ自体は春から秋どこかしらにいるものです。

アキアカネは日本でもっとも普通にみられる「赤とんぼ」の一種です。
冬になるまえに里の田んぼなどの水辺に産み付けられた卵から
春の田んぼの水が張られる頃にヤゴが誕生し
およそ1~2か月の間に数回脱皮を繰り返して成虫になります。
そして夏が来る前に里より気温の低い山へ避暑にやってくるのです。
気温は20~25℃くらいが適しているらしく30℃を超えると生存が難しいとのこと。
欅平は標高600mほどしかなく 夏は意外と暑く なってしまうので盛夏にはもっと高地に移動します。
そして秋、じゅうぶんに成熟したアキアカネは大群を作って里へと下りていきます。
この大群がみられるのが欅平ではちょうど秋雨のころでしょうか。

20200716_5.jpg
初夏、山へ向かっていくときは羽化した順番に各々で動くのであまり大きな群れにならず目立たないのですが
秋、山から下りてくるときは大きな群れをつくって動くので目立つのです。
そして赤くなった成虫を里でよく見かけるのが秋。
ゆえに赤とんぼといえば「秋」。
ちなみに1年じゅう里にいるナツアカネなんてゆう赤とんぼもいます。

でも、山ではアキアカネは夏の使者。
欅平ももうすぐ梅雨はあけるのでしょうか。
どうでしょうか。

崖の上の

梅雨前線がしつこく停滞しているようで。
あいかわらず雨が多い毎日です。
とはいえ。時には薄日が差すこともあるのです。

欅平周辺の各遊歩道は雨量規制・落石撤去・安全確認。。。と。
まだしばらくは通行規制がかかったり解除されたりが繰り返されると思われます。
最新の情報は当館もしくは 黒部峡谷鉄道 まで何卒お問い合わせください。

この日は猿飛遊歩道が通行止めとなっていたので名剣・祖母谷方面に行ってみました。

奥鐘トンネル
奥鐘橋を渡った先、奥鐘トンネル出口。

奥鐘トンネルの先
トンネルを出たところ。
崖っぷちです。
猿飛遊歩道より安全というわけではありません。
決して油断はなさりませんよう。
落石に注意を払いつつも。ぜひご覧いただきたく。
このあたりこの時期けっこう花がたくさん咲いていて。

ヨツバヒヨドリ
谷側を少しのぞきこむとヨツバヒヨドリが咲き始めていました。

コチャバネセセリ
さっそく吸蜜に訪れていたセセリチョウの仲間(たぶんコチャバネセセリあたり)。
他にもオオバギボウシが群落を作っていたりします。

奥鐘トンネル入口
そして山側。崖の上を眺めて見ると

ハクサンオミナエシ
黄色いハクサンオミナエシや

シモツケソウ
ピンクのシモツケソウなども見つけられます。

崖の上や崖っぷち。
風あたりが強かったり崩れやすかったり、植物にとってもリスキーな場所ではありますが、大きな木に隠されることもなく、雪が積もりにくいことで春には真っ先に、そしてたくさん太陽の光を浴びることのできる場所でもあります。

ちょっと憂鬱でうつむきがちな昨今ではありますが。
時には上も眺めてみます。


八千八谷の作り方

奥鐘橋
梅雨本番です。雨がよく降っています。

奥鐘山
奥鐘山に普段は見られない沢が現れます。
黒部峡谷はその豊富な水の流れによって浸食され、深いV字谷となったと考えられます。
この沢もいずれは岩壁を削って谷を作るのでしょうか。

奥鐘橋から上流
「黒部八千八谷(くろべはっせんやたん)」とは、たくさんの、数えきれないほどの谷が合流して黒部川の流れを作っていますよ。ということのたとえなのですが。
その名の通りトロッコに乗って眺めているだけでも大きな谷から小さな沢までたくさん見かけます。
このたくさんの谷、いったいどうやってできるのでしょう。

黒部川の流域の大半は花崗岩を主体としています。
御影石(みかげいし)という名で石材としてもおなじみの岩石です。
マグマが地下の深いところでゆっくり冷え固まって出来た花崗岩は非常に硬いのですが、マサ化と呼ばれる風化をしやすい性質も持っています。
漢字で書くと真砂(まさ)、とは花崗岩が風化してできた砂状のもののこと。

かたい花崗岩が風化してしまうと、山は削れたり崩れたりしやすくなります。
この風化作用は岩のある場所の違い、水や空気に触れる量、花崗岩に含まれる組成の違いなどによって風化しやすかったりしにくかったりするようです。
また、断層の存在、大町トンネルで有名な破砕帯なども水を通しやすくしたりして地形を変える要因となりそうです。

名剣手前
名剣温泉手前の崖(厳密にいえば花崗岩じゃないかもしれませんが)、よく見ると節理と呼ばれる一定方向にそろったひび割れがたくさん見られます。
この節理によって割れる方向が定まったり、硬いところが残ったり、様々な要因が重なって今の黒部峡谷のダイナミックな地形となりました。→有名なのは 十字峡 S字峡
そしてその地形は今もなお変化し続けています。

祖母谷堰堤
(山が崩壊して流れ下ってくる土砂を防ぐために建設された祖母谷堰堤。)
数百万年前から隆起し続ける大地は地表面で侵食され続けています。
今我々が見ている山はいつも同じようでいて、実は姿を変えているのかもしれません。

前回の記事 とは真逆なことを言っているようですが(^^;)
時間のスケールの違いですね。
鳥の飛び立つまでの時間と山が姿を変えるのに必要な時間。

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