黒部峡谷の景観 欅平ビジターセンター STAFF BLOG

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欅平ビジターセンター
〒938-0200
富山県黒部市宇奈月町黒部奥山
TEL:0765-62-1155
 
黒部峡谷の景観とそこに生息する動植物の紹介。黒部峡谷の誕生や歴史・地形・地質・景観・動植物・登山ルート、峡谷と人間の関わりをマルチイメージスライドにより紹介しています。

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八千八谷の作り方

奥鐘橋
梅雨本番です。雨がよく降っています。

奥鐘山
奥鐘山に普段は見られない沢が現れます。
黒部峡谷はその豊富な水の流れによって浸食され、深いV字谷となったと考えられます。
この沢もいずれは岩壁を削って谷を作るのでしょうか。

奥鐘橋から上流
「黒部八千八谷(くろべはっせんやたん)」とは、たくさんの、数えきれないほどの谷が合流して黒部川の流れを作っていますよ。ということのたとえなのですが。
その名の通りトロッコに乗って眺めているだけでも大きな谷から小さな沢までたくさん見かけます。
このたくさんの谷、いったいどうやってできるのでしょう。

黒部川の流域の大半は花崗岩を主体としています。
御影石(みかげいし)という名で石材としてもおなじみの岩石です。
マグマが地下の深いところでゆっくり冷え固まって出来た花崗岩は非常に硬いのですが、マサ化と呼ばれる風化をしやすい性質も持っています。
漢字で書くと真砂(まさ)、とは花崗岩が風化してできた砂状のもののこと。

かたい花崗岩が風化してしまうと、山は削れたり崩れたりしやすくなります。
この風化作用は岩のある場所の違い、水や空気に触れる量、花崗岩に含まれる組成の違いなどによって風化しやすかったりしにくかったりするようです。
また、断層の存在、大町トンネルで有名な破砕帯なども水を通しやすくしたりして地形を変える要因となりそうです。

名剣手前
名剣温泉手前の崖(厳密にいえば花崗岩じゃないかもしれませんが)、よく見ると節理と呼ばれる一定方向にそろったひび割れがたくさん見られます。
この節理によって割れる方向が定まったり、硬いところが残ったり、様々な要因が重なって今の黒部峡谷のダイナミックな地形となりました。→有名なのは 十字峡 S字峡
そしてその地形は今もなお変化し続けています。

祖母谷堰堤
(山が崩壊して流れ下ってくる土砂を防ぐために建設された祖母谷堰堤。)
数百万年前から隆起し続ける大地は地表面で侵食され続けています。
今我々が見ている山はいつも同じようでいて、実は姿を変えているのかもしれません。

前回の記事 とは真逆なことを言っているようですが(^^;)
時間のスケールの違いですね。
鳥の飛び立つまでの時間と山が姿を変えるのに必要な時間。

欅平って。。。

紅葉本番。
といっても大丈夫でしょう。
DSCN2040.jpg

欅平の山は険しいので広葉樹の大木はない」と先日うっかり書いてしまいました。
駅やビジターセンターの対岸の景色は断崖が多いのですが
反対側(ビジターセンターの裏側)の山は比較的なだらかなので
結構広葉樹の大木も多く見られます。

DSCN2010.jpg
(人喰い岩の先から見た山)
ケヤキの木もパノラマ展望台へ向かう登山道沿いに大木が何本か見つけられます。

DSCN2046.jpg
(これは猿飛山荘手前のケヤキの大木)
「欅平(けやきだいら)」の地名は「ケヤキの大木があった」ことから名づけられたとされています。

それでは。。。「平」は?

トロッコ沿線には他にも「笹平(ささだいら)」、「出平(だしだいら)」、「小屋平(こやだいら)」と、「平」のつく駅があります。
いずれも黒部峡谷の奥地へと進む途中の開発の拠点、昔であれば小屋など、今なら駅を作るのに適した(?)「平らな」場所だったことから名づけられたと考えられます。
しかしながら基本険しい地形の黒部峡谷。「平ら」といっても、ほかの場所より多少緩やか、といった程度のものです。

「平」は国語辞典でも漢和辞典でも「平らか」を意味しています。
広辞苑では「山中にある相当広い緩斜面」とも。
ちなみに、地名にはアイヌ語を語源とすることも良くあるのですが、アイヌ語でtaiは「林や森」を、raは「低い」ことを意味します。
また、「平」を「ひら」と読む場合、古語や方言では「坂」の意味でつかわれることもあり、また、アイヌ語の「崖」を意味するpiraが語源の可能性もあるそうで。

DSCN2025.jpg
(猿飛遊歩道から、遠くに見えるのは唐松岳)
なんとなく「崖」の方が欅平のイメージに合いそうな気もしますね。

富山県内で有名な「だいら」といえば、立山の「室堂平(むろどうだいら)」や「大日平(だいにちだいら)」といった、広大な溶岩台地がどうしても思い出されてしまうので、それと比較すると「欅平」は本当に猫の額ほど。
それでも黒部峡谷の重要な拠点だったに違いありません。

本日もたくさんの観光客の皆さんで賑わっております。

宇奈月のほうが。。。

本日29日からは七十二候でいう「霎時施(こさめときどきふる)」に入りました。
そしてそのとおり、本日は朝から冷たい雨がしとしとと降っています。
この冷気で紅葉も加速中。

昨日28日は晴天。
1unaduki.jpg
(宇奈月駅)

2unaduki.jpg
(宇奈月ダム近くの山)

宇奈月からトロッコに1時間以上も揺られて来なければならない欅平では、さぞかし紅葉が進んでいるのでは、と期待されて来るお客様もおられることでしょう。
しかしながら、標高が380mほどしか高くなく、気温で2、3℃しか変わらないこともあり、それほど大きな差はありません。
それどころか。
「なんなら宇奈月の方が紅葉進んでるんじゃない?」
と思われる方もいらっしゃるとか。
いえいえ。それはございません。

宇奈月の山に比べると、欅平の山は険しいのです。
峡谷の奥に進むにつれて川岸の岩壁はそそり立つように迫ってきます。

宇奈月あたりのなだらかな山の森は、欅平に比べると大木も多く、密生していて「厚み」があります。
3unaduki.jpg
(もこもことした宇奈月湖畔の森)
なので、葉の量も多く、色づいた葉がたくさんまとまっているので目立つのです。
これから色づきが進めば、それはそれで見応えがあります。

4okukanneyama.jpg
(欅平を代表する奥鐘山)
対して欅平では垂直に近い岩肌にへばりつくように樹木が生えるため、広葉樹の大木はあまり育ちません。なので、そもそも葉の量が少ないため、紅葉していても宇奈月ほど目立たないのです。

5meikennsan.jpg
(山頂はかなり色づいて見える名剣山)
量は少ないのですが色とりどりの葉の色と、所々に見える岩肌の色、その下を流れる急流の水の青さ。。。といった、宇奈月とはまた別の美しさが見られます。

これからトロッコ沿線も日毎に色合いを増していきますので、どうぞ、渓谷の地形ごとの紅葉をお楽しみください。

明日からは晴れるようです。「小春日和」。


【おまけ】
先週まで低温の日があまり続かなかったせいか、
途中で紅葉が足踏みしていたようで。
6momiji.jpg
7momiji.jpg

命名「パンダもみじ」。

祖母谷地獄(ばばだにじごく)

祖母谷温泉までのルートは→コチラ

祖母谷川にかかる鉄橋を渡った先
地獄1
看板の左には山小屋・祖母谷温泉があります。

温泉の反対側、右を向くと(草刈りが終わっていれば)2本の道が。
地獄2
左の山側の道は白馬岳方面に向かう登山道、
右の河原に降りていく道を進むと
地獄3
河原から湯気の立ちのぼる「祖母谷地獄」です。

地獄4
河原を少し掘った窪みに湧き出た温泉水が溜められ、ホースで各温泉まで送り届けられています。

源泉の温度は100℃近くになる場所もあるので、迂闊にさわらないようご注意ください。
祖母谷(ばばだに)の名前の由来、嫉妬の火の玉と化して谷に落ちた女性の怒りの温度、恐るべし。。。

欅平河原が解放されました。(H27.8.1撮影)

270801欅平河原
暑い日が続き、河原の水がとても気持ちいいです。

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