黒部峡谷の生きもの 欅平ビジターセンター STAFF BLOG

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〒938-0200
富山県黒部市宇奈月町黒部奥山
TEL:0765-62-1155
 
黒部峡谷の景観とそこに生息する動植物の紹介。黒部峡谷の誕生や歴史・地形・地質・景観・動植物・登山ルート、峡谷と人間の関わりをマルチイメージスライドにより紹介しています。

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稲の子ですか?

9月です。稲刈りの季節。
平野部の田んぼでは稲穂が黄金色に色づいています。
台風が猛烈なフェーンとともに夏を連れ去り欅平の空気も秋めいてきました。

20200910_1.jpg
ちょっと羊でも数えてみたくなる空。
賑やかな夏もいよいよ終わります。
そんなこの夏。ずっと欅平を賑わせていたのはこちらの方々。

20200910_2.jpg
ハネナガフキバッタです。
イナゴじゃないの?イナゴだよね?
という声が多数聞かれましたが。
結論。ハネナガフキバッタです。
バッタという名がつきますが一応イナゴの仲間。

20200910_3.jpg
あごの下、左右の前脚の間に「のどぼとけ」(のような突起)があります。
そもそもイナゴはバッタの仲間なのですが、この「のどぼとけ」があるものをイナゴ科として分けることもあるとか。
分類としては バッタの仲間>イナゴの仲間>フキバッタの仲間 という感じで。
まあ。ややこしい話はさておき。

20200910_4.jpg
イナゴの仲間とはいえ
いわゆる佃煮などにして食べるハネナガイナゴやコバネイナゴとはちょっと種類が違います。
なにより。イネを食べません。
「稲子」じゃない!

イナゴの名前の由来はイネを食べる(害虫)から稲の子。という説。
フキバッタはフキ(蕗)の葉を食べていたところから名づけられています。
実際にはハネナガフキバッタが良く食べるのはマメ科植物の葉など。
マメ科植物。。。クズ(葛)とか ハギ(萩) とか。。。
稲のような細長いものでなく丸っこい形の葉の草を食します。

20200910_5.jpg
生息場所もイナゴは平野部の水田にいますがハネナガフキバッタは山に多くいます。
今年の欅平のように時々大発生することもあるとか。
大豆などの農作物に影響ありそうですが大きな被害になることは少ないそうです。

「平野部の田んぼで農薬散布するから山に移動してきたのでは。」という意見もございましたが。どうなのでしょう。

20200910_6.jpg
トロッコ電車でも移動しておられたり(^^;)。
平野部のイナゴも山に来るかもしれませんね。


虫の声

酷暑。極暑。炎暑。。。どれもがふさわしい感じで暑いです。
欅平でも今日は30℃近くにまでなりました。

蝉時雨も季節とともにちょっと変化して
先月まではヒグラシが大合唱していましたが
梅雨明けとともにミンミンゼミに移り変わりました。
(早朝や夕方にはヒグラシの声も聞かれます。)

ヒグラシ
ヒグラシの♂。体長3、4cmほどの小さなセミです。

そういえば 去年ビジターセンター窓に来たミンミンゼミ は♀でした。

虫の声は他にも。
草むらではキリギリスの声が時折聞こえてきます。

ヤブキリ
こちらはキリギリス(たぶんヤブキリ)の♀。お尻に長い産卵管があります。
タニウツギの葉の間で隠れていました。

セミもキリギリスもなかなか鳴いている♂の姿を見つけられません。
大きな声で鳴くために敵に見つからないよう用心深くしているのでしょうか。
声はすれども。。。
そんな中鳴いている姿をよく見かける虫が現れました。

ホソクビツユムシ1
ホソクビツユムシです。ブナ帯に多いのだそう。

ホソクビツユムシ2
「じいっ。じっじっじっじっじっじっ。じきじち。」
と鳴いてはすぐにせかせかと移動して止まってはまた鳴きます。
見ていると。ひとことで言えば。せわしない。
良く動くので鳴き声が聞こえたら少しそのあたりを見ているとうろうろする姿を見つけることができます。

虫の声といえば「秋の夜長を鳴き通す♪」と歌われ
秋でなくともスズムシやコオロギなど夏の夜に鳴くものも多いのですが。
夏の炎天下で聞こえる虫の声もありますので見つけてください。

ミンミンゼミの声とか。。。きもち暑さ倍増してきますが(^^;)。。。
これも今の季節だけのもの。
まもなく暑さのピークも折り返します。

ピカピカの

暑いです。
まだ梅雨明け宣言は出されていませんが「暑い」という声が聞こえてくるようになりました欅平。
先々週あたりまではまだ曇りの日などは肌寒かったりしたのですが。
曇っていても蒸し暑いです。
どうぞ感染症だけでなく熱中症にもお気を付けください。

さて。
今年もやってまいりました。
飛び込みのお客様 2020です。

20200722_1.jpg
オオセンチコガネ様。
今年もいらっしゃいましたね。お元気そうで何よりです。

20200722_2.jpg
あ。去年の方とは違う。まあそうですよね。
つぶらな瞳でお答えいただいたようで。

20200722_3.jpg
えっと。こちらのお客様はいかがなさいましたか。
前日ご来館されて出られなくなってしまいましたか。

20200722_4.jpg
とりあえず外へ。
おや。キレイな金属光沢ですこと。
タカネトンボ様ですか。
高嶺(たかね)という名前ですが標高の低いところにもけっこういらっしゃるとのこと。

20200722_5.jpg
陽の光をあびると美しいですね。ピカピカです。
大きな眼も水色に輝きます。まさしくトンボの眼鏡。
というよりサングラスかな。スポーツタイプの。

コガネムシやトンボなど金属のような光沢をもつ昆虫がいます。
これは構造色といって色素による発色だけではなく表皮などの構造によって光が反射やら干渉やら○○とか□□とかして光るのだそう。
…調べてはみたもののいろいろ物理用語が飛び交ってきたので挫折しました。
興味のある方はお調べください。
身近なものではCDの光沢とか。

で。なぜこの光沢があるのか。という理由。
なにかしらこの光沢があると生きていくうえで有利なことがあるからこのように進化したのだと思われますが。これもまた諸説あり。
興味のある方はお調べください。(再び)
熱帯のほうでピカピカの昆虫が多いようなので太陽光を反射させて捕食者から逃れるのに役立っているのでしょうか。想像です。

20200722_6.jpg
理由はさておき。
やはりピカピカの体には太陽の光がよく似合います。
このタカネトンボ体が冷えていたのかしばらくここで羽根をばたつかせてから無事に飛び立っていかれました。
お天気よくなると良いですね。

と思って見送りましたが
タカネトンボは森林内の薄暗いところが好きなのだそう。
ふーん。。。そうなんだ。


夏の使者

天気予報があてにならない今日この頃ですが皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今現在の欅平は晴れています。でも予報は雨。
富山県の梅雨明けの平年は7月24日とのことですが今年はいかがなりますか。
まだまだ大雨にも油断はならないといったところですか。

20200716_1.jpg
雨の日の奥鐘橋。
天気のせいもありますし昨今の社会事情もありまして平日はお客様も少なく静かな時間が過ぎています。
ヒトのお客様は少ないのですが最近欅平をにぎわせているのがこのトンボ。

20200716_2.jpg
アキアカネです。
「赤とんぼ」の代表選手。でもまだ成虫になったばかりで成熟していないので赤くはなっていません。
この日は奥鐘橋の赤い欄干に大勢とまっておられました。

20200716_3.jpg
他の種類のトンボと見分けるポイントは胸部横(羽根の付け根の下あたり)の黒いすじ模様。
ちなみにこちらは雄。

20200716_4.jpg
こちらがたぶん雌。腹部(羽根の後ろから尻尾にかけて)にある黒い模様がはっきりしてるから。(自信無^^;)

名前は「アキ」なのに山では夏にたくさん見られます。
「トンボ」も「赤とんぼ」も秋の季語ではありますが
トンボ自体は春から秋どこかしらにいるものです。

アキアカネは日本でもっとも普通にみられる「赤とんぼ」の一種です。
冬になるまえに里の田んぼなどの水辺に産み付けられた卵から
春の田んぼの水が張られる頃にヤゴが誕生し
およそ1~2か月の間に数回脱皮を繰り返して成虫になります。
そして夏が来る前に里より気温の低い山へ避暑にやってくるのです。
気温は20~25℃くらいが適しているらしく30℃を超えると生存が難しいとのこと。
欅平は標高600mほどしかなく 夏は意外と暑く なってしまうので盛夏にはもっと高地に移動します。
そして秋、じゅうぶんに成熟したアキアカネは大群を作って里へと下りていきます。
この大群がみられるのが欅平ではちょうど秋雨のころでしょうか。

20200716_5.jpg
初夏、山へ向かっていくときは羽化した順番に各々で動くのであまり大きな群れにならず目立たないのですが
秋、山から下りてくるときは大きな群れをつくって動くので目立つのです。
そして赤くなった成虫を里でよく見かけるのが秋。
ゆえに赤とんぼといえば「秋」。
ちなみに1年じゅう里にいるナツアカネなんてゆう赤とんぼもいます。

でも、山ではアキアカネは夏の使者。
欅平ももうすぐ梅雨はあけるのでしょうか。
どうでしょうか。

花から花へ

ギンリョウソウ1
先日のギンリョウソウ、大雨やらなんやらでご報告が遅くなりましたが、無事開花しました。

ギンリョウソウ2
竜というよりタツノオトシゴの顔を思い出します。

マルハナバチ1
と、既に他のお客様がいらっしゃってました。
もふもふの体のマルハナバチです。
鮮やかなオレンジ色の背中(胸部の背面)が目立つので、おそらくトラマルハナバチかナガマルハナバチあたり。。。

マルハナバチ2
これは別の日、名剣温泉の近くの道路わきで。
オニアザミの花に頭をつっこんでせっせと蜜を集めているようです。

マルハナバチ3
もふもふの体が花粉だらけになってますよ。

顕花植物(よく目立つ花をつける植物)の繁殖には送粉者(ポリネーター)と呼ばれる「別の生きもの」が、花粉を別の個体に届けるのに重要な働きをします。
多くの場合は虫であったり、鳥や動物であったりします。
マルハナバチは少し涼しい山地や森林の植物にはかかせない送粉者です。
植物とすれば、同じ種のなるべく離れた場所(違う遺伝子の個体)にたくさん花粉を運んで欲しいのです。
マルハナバチやミツバチは学習能力が高く、その時に咲いている同じ種の花を集中して訪花すると聞いたことがあります。

オニアザミ
虫などに花粉を運んでもらって自分とは別の個体(遺伝子)の花粉がつかなければ種子を作れない植物もありますが、ギンリョウソウのように虫が来なくても種子を作ることができる植物もあります。
花に訪れる生きものがたくさんいるのかいないのか、それぞれの環境によって植物は様々な進化をしてきています。


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