2019年10月20日 欅平ビジターセンター STAFF BLOG

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黒部峡谷の景観とそこに生息する動植物の紹介。黒部峡谷の誕生や歴史・地形・地質・景観・動植物・登山ルート、峡谷と人間の関わりをマルチイメージスライドにより紹介しています。

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来年の準備

まだ紅葉というには気が早い感じではありますが、ほんのり黄色やオレンジ色がかった部分も増え始め、ビジターセンター前の広場の落ち葉の量も日増しに増えてまいりました。
広場
(駅前広場から)※肉眼ではもうちょっと色づいてるように見えます(^^;)

「落葉」は葉の付け根に離層という部分があり、枝から切り離されることで起こります。
これは落葉樹に関わらず、樹木のほとんどで起こります。
サワグルミ落ち葉
(サワグルミの落ち葉)

落葉樹と呼ばれるものは、1年のうちで光合成に適した季節にのみ葉をつけます。
温帯の落葉樹であれば春から秋に葉をつけて光合成をし、寒い冬には全ての葉を落とします。
冬は気温が低いので、葉をつけていても光合成をして得られるメリットより、葉の維持に必要なコストの方が勝ってしまうからです。
ヤマザクラ葉
(ヤマザクラの葉)

一方、冬の間も緑の葉をつけている常緑樹は、そのあたりのコストパフォーマンスを良くしているのでしょう。落葉樹に比べると丈夫な葉を作り、その寿命は1年以上(~数年)ですが、やはり古くなったり、傷んだ葉は生産性が悪いので落葉します。
ツガ葉
(ツガの葉)

つまり、どのタイミングで葉を落とすかは樹木にとってのコストパフォーマンスが最適になるように調整されています。
落葉樹であれば気温条件によって大きく左右されます。

葉を落とすとき、葉に含まれる養分や、葉の働きに必要な成分はなるべく多く回収して、次に作る葉に使うために枝や幹などに貯蔵します。
回収や貯蔵をするために、葉の中でさまざまな形に組み立てられているものをいったん分解しなければなりません。

まず最優先で回収しようとするものが光合成色素のひとつ、葉の緑色を作り出している葉緑素(クロロフィル)の成分です。これが分解されていくと緑色がだんだん薄くなり、紅葉もしくは黄葉します。
黄色くなるものは、もともと葉に含まれている黄色の色素(カロテノイド)が、緑色が消えたことによって見えるようになった状態です。
赤くなるものは、落葉の前に新たに葉の中で赤い色素(アントシアニン)が作られることによって起こります。これも緑色が薄くならなければ見えません。
キブシ紅葉
(一部分だけ赤くなったキブシの葉)

ヒトの目を楽しませてくれる紅葉ですが、実は植物の葉の中では着実に来年のための準備をしています。

そして、この「葉が赤くなる」現象、どういう仕組みで赤くなるのかは解明されていますが、「何故」赤くなる必要があるのかということについては、諸説ありますが、まだはっきりとは解明されていないのだそうです。
これはなんとなくこのまま解き明かされず、いつまでも自然の不思議のひとつであってほしいなと、ちょっと思います。

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