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〒938-0200
富山県黒部市宇奈月町黒部奥山
TEL:0765-62-1155
 
黒部峡谷の景観とそこに生息する動植物の紹介。黒部峡谷の誕生や歴史・地形・地質・景観・動植物・登山ルート、峡谷と人間の関わりをマルチイメージスライドにより紹介しています。

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来年の準備

まだ紅葉というには気が早い感じではありますが、ほんのり黄色やオレンジ色がかった部分も増え始め、ビジターセンター前の広場の落ち葉の量も日増しに増えてまいりました。
広場
(駅前広場から)※肉眼ではもうちょっと色づいてるように見えます(^^;)

「落葉」は葉の付け根に離層という部分があり、枝から切り離されることで起こります。
これは落葉樹に関わらず、樹木のほとんどで起こります。
サワグルミ落ち葉
(サワグルミの落ち葉)

落葉樹と呼ばれるものは、1年のうちで光合成に適した季節にのみ葉をつけます。
温帯の落葉樹であれば春から秋に葉をつけて光合成をし、寒い冬には全ての葉を落とします。
冬は気温が低いので、葉をつけていても光合成をして得られるメリットより、葉の維持に必要なコストの方が勝ってしまうからです。
ヤマザクラ葉
(ヤマザクラの葉)

一方、冬の間も緑の葉をつけている常緑樹は、そのあたりのコストパフォーマンスを良くしているのでしょう。落葉樹に比べると丈夫な葉を作り、その寿命は1年以上(~数年)ですが、やはり古くなったり、傷んだ葉は生産性が悪いので落葉します。
ツガ葉
(ツガの葉)

つまり、どのタイミングで葉を落とすかは樹木にとってのコストパフォーマンスが最適になるように調整されています。
落葉樹であれば気温条件によって大きく左右されます。

葉を落とすとき、葉に含まれる養分や、葉の働きに必要な成分はなるべく多く回収して、次に作る葉に使うために枝や幹などに貯蔵します。
回収や貯蔵をするために、葉の中でさまざまな形に組み立てられているものをいったん分解しなければなりません。

まず最優先で回収しようとするものが光合成色素のひとつ、葉の緑色を作り出している葉緑素(クロロフィル)の成分です。これが分解されていくと緑色がだんだん薄くなり、紅葉もしくは黄葉します。
黄色くなるものは、もともと葉に含まれている黄色の色素(カロテノイド)が、緑色が消えたことによって見えるようになった状態です。
赤くなるものは、落葉の前に新たに葉の中で赤い色素(アントシアニン)が作られることによって起こります。これも緑色が薄くならなければ見えません。
キブシ紅葉
(一部分だけ赤くなったキブシの葉)

ヒトの目を楽しませてくれる紅葉ですが、実は植物の葉の中では着実に来年のための準備をしています。

そして、この「葉が赤くなる」現象、どういう仕組みで赤くなるのかは解明されていますが、「何故」赤くなる必要があるのかということについては、諸説ありますが、まだはっきりとは解明されていないのだそうです。
これはなんとなくこのまま解き明かされず、いつまでも自然の不思議のひとつであってほしいなと、ちょっと思います。

へくさんぼ

本日は
カメムシの大発生。

kame1.jpg
山の近くにお住いの方々なら良くご存じのはずではありますが
この季節、陽の当たる暖かい外壁などに
びっしりと。カメムシが集まってくることは良くあるのです。

kame2.jpg
ですが、本日はちょっと多すぎではなかろうか。と。

kame3.jpg
(たぶん)クサギカメムシです。
マメ科などの植物の汁を吸うため、農家の皆様には嫌われ者。
寒い冬になる前に、冬眠できる場所を探して家屋に浸入してくるのも嫌われるポイント。
なにより、臭いから。嫌われますよね。

kame4.jpg
よほどの刺激を与えない限りは臭い汁を出すこともないようです。
身体の表面は意外に固く、けっこう大きな羽音をたてて飛んできますが、ヒトを刺すわけではありませんから。

このあたりの皆さんは「へくさんぼ」と呼んでいます。
英語ではstink bug=悪臭を放つ虫。
カメムシの仲間全体ではshield bugsとも言うようです。
形ですね。5角形の。まさしく西洋の盾の形。

うーむ。。。
なかなか褒めるポイントが見つかりませんが
これも自然の一部としてご理解ください。

クマとの遭遇に注意

先月、富山県では「ツキノワグマ出没注意情報」が発令されました。
毎日のように「クマ出没」のニュースが聞かれます。

ツキノワグマは冬眠前の秋になると食欲を増し、大量の餌を求めて活動範囲を広げます。
昨年はやや豊作だった山のブナやミズナラの堅果(どんぐり)が、今年は凶作と報告されているため、本来の生息地を外れてヒトの住むエリアまで活動範囲を広げているのかもしれません。

ビジターセンターのお客様から
「このあたりにクマはいますか」と、時々質問されます。
はい。います。もちろんいます。
20130703_07.jpg

ツキノワグマの生息地です。
欅平周辺でも目撃情報は年に数回ほどありますが、皆さんが散策で歩かれるような範囲での人的被害は今のところ無いようです。多くのヒトで賑わう日中などは特に、警戒して姿を見せないのかもしれません。

しかし残念なことに、先日、黒部ダムに向かう旧日電歩道にて登山道整備の作業員の方が親子クマと遭遇し、ケガをされました。

本来臆病な性格のツキノワグマが積極的にヒトを襲うことは、ごく稀です。
でも、欅平からさらに奥山に登山で向かわれる場合、見通しのきかない登山道で出合頭に遭遇してしまうと、驚いて襲ってくる可能性が高いのです。
鉢合わせてしまう前に、なるべくヒトの存在を知らせて、クマに避けていただくのが最良です。
どうぞクマ鈴など音の出るものを身に着ける、グループで行動するなど、十分な準備をして、厳重な警戒をしつつ、山に入ってください。
「落石の危険があるため」といってヘルメット着用をお勧めしていますが、クマに遭遇して襲われた時の防護にも役立ちます。

万が一、クマに遭遇してしまっても、あわてず、騒がず。
落ち着いて行動しましょう。
参考↓
クマを知って事故を防ごう

真木の葉

台風もいくつか過ぎて季節はすっかり秋。
1kiri.jpg
ある日の雨上がりの光景です。
「霧立ちのぼる 秋の夕暮」ですか。

上の句はなんだっけ、と調べました。
「村雨の 露もまた干ぬ 真木の葉に」でした。
百人一首の中にもある寂蓮法師の詠んだ歌です。

この「真木」とは植物のマキ(槇)のことを指す場合もありますが、
多くの場合、広い意味でスギやヒノキ、マツなどの常緑樹の事を指します。

欅平周辺で観察できる常緑針葉樹は

まずは黒部峡谷を代表する ツガ
2tsuga.jpg
北アルプス周辺ではよく似たコメツガのほうが多く見られます。
しかし、ここ黒部峡谷では本来暖地に生育するツガが群落を形成することが大きな特徴となっています。
詳しくは→当館HP「黒部峡谷の地形」にて

3tsuga.jpg
コメツガと見分けるポイントは若い枝に毛がはえていないことと、球果(まつぼっくり)が枝に対して直角ぎみにつくところです。
ちょうど今年は奥鐘橋のたもとにたくさんの球果をつけた大木がありますので観察してみてください。

それから ネズコ
5nezuko.jpg
ヒノキの仲間で、別名はクロベ。
他のヒノキに比べて、材の色の赤みが強いことから黒檜(くろひのき)とも呼ばれます。

6nezuko.jpg
小さなうろこ状のひとつひとつが葉です。
サワラやアスナロに似ていますが、葉の裏面の気孔帯(白っぽい模様)が、サワラなどでは、はっきりした粉白色なのに対し、やや黄緑色ではっきりしないところがポイントです。

そしておなじみの スギ
4sugi.jpg
5sugi.jpg
富山県東部の山地に多く見られるタテヤマスギ(立山杉)と呼ばれる地域品種と思われます。
トロッコの鐘釣駅より下流の沿線では植林されたらしき杉林も見られますが、欅平あたりでは、土壌のたくさん溜まるような平らな場所があまり無いせいか、まとまって生えている場所は見つかりません。猿飛遊歩道の途中、河原園地近くに2本の大木がありますが、自然に生えたものなのでしょうか。ナゾです。

あとは、近くではなかなか見つけられませんがマツもあります。
(たぶん キタゴヨウ)
7kitagoyou.jpg

いずれも古くから建材などに利用され、ヒトの生活にかかせないものでした。
そしてこれからの季節、紅葉が進むと、赤や黄色に色づく落葉樹に混じる濃緑色のアクセントとして、黒部峡谷を彩ります。

まだ今は緑一色の山ですが、実は多種多様な樹木があるということも、ぜひ観察してみてください。

黒部峡谷自然観察会を行います 【10月28日 月曜日】

欅平ビジターセンター運営協議会では、
10月28日(月曜日)に欅平周辺で自然観察会を開催します。
2019秋の自然観察会申込書

ルートは欅平から祖母谷温泉を予定しています。
先着20名。
申し込み締切りは10月17日ですが、
定員に達した時点で受付を終了いたしますのでお早めに。

お申込み、お問い合わせは→黒部市役所商工観光課内・協議会事務局まで。

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