欅平ビジターセンター STAFF BLOG

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欅平ビジターセンター
〒938-0200
富山県黒部市宇奈月町黒部奥山
TEL:0765-62-1155
 
黒部峡谷の景観とそこに生息する動植物の紹介。黒部峡谷の誕生や歴史・地形・地質・景観・動植物・登山ルート、峡谷と人間の関わりをマルチイメージスライドにより紹介しています。

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ふゆとなり

昨日は立冬。
寒いです。欅平。
朝は霜が降りるようになりました。

1saru.jpg
(奥鐘橋にニホンザル)
冬毛になったのでしょうか。夏よりも「もこもこ」としています。

紅葉もほぼ100%。
例年に比べるとおよそ1週間から10日ほど遅れ気味になりました。

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(名剣山10月28日 → 11月9日)

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(駅前広場、奥に見えるのはサンナビキ山)
紅葉しきった葉は徐々に散っていきます。
ビジターセンター前のサワグルミの木もすっかり葉を落としました。

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(サワグルミの枝先には冬芽)
来年葉を広げるための冬芽がしっかり出来ています。

雪に閉ざされる冬を前に、生き物たちは姿を変えていきます。

「冬隣(ふゆどなり)」は立冬を前にした秋の季語です。
過ぎてしまったので今日のところは「冬と成り」で。
おそまつ。


【おまけ】
先日の「パンダもみじ」 その後
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赤い部分は増えませんでしたが黄色に紅葉しました。

欅平って。。。

紅葉本番。
といっても大丈夫でしょう。
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欅平の山は険しいので広葉樹の大木はない」と先日うっかり書いてしまいました。
駅やビジターセンターの対岸の景色は断崖が多いのですが
反対側(ビジターセンターの裏側)の山は比較的なだらかなので
結構広葉樹の大木も多く見られます。

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(人喰い岩の先から見た山)
ケヤキの木もパノラマ展望台へ向かう登山道沿いに大木が何本か見つけられます。

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(これは猿飛山荘手前のケヤキの大木)
「欅平(けやきだいら)」の地名は「ケヤキの大木があった」ことから名づけられたとされています。

それでは。。。「平」は?

トロッコ沿線には他にも「笹平(ささだいら)」、「出平(だしだいら)」、「小屋平(こやだいら)」と、「平」のつく駅があります。
いずれも黒部峡谷の奥地へと進む途中の開発の拠点、昔であれば小屋など、今なら駅を作るのに適した(?)「平らな」場所だったことから名づけられたと考えられます。
しかしながら基本険しい地形の黒部峡谷。「平ら」といっても、ほかの場所より多少緩やか、といった程度のものです。

「平」は国語辞典でも漢和辞典でも「平らか」を意味しています。
広辞苑では「山中にある相当広い緩斜面」とも。
ちなみに、地名にはアイヌ語を語源とすることも良くあるのですが、アイヌ語でtaiは「林や森」を、raは「低い」ことを意味します。
また、「平」を「ひら」と読む場合、古語や方言では「坂」の意味でつかわれることもあり、また、アイヌ語の「崖」を意味するpiraが語源の可能性もあるそうで。

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(猿飛遊歩道から、遠くに見えるのは唐松岳)
なんとなく「崖」の方が欅平のイメージに合いそうな気もしますね。

富山県内で有名な「だいら」といえば、立山の「室堂平(むろどうだいら)」や「大日平(だいにちだいら)」といった、広大な溶岩台地がどうしても思い出されてしまうので、それと比較すると「欅平」は本当に猫の額ほど。
それでも黒部峡谷の重要な拠点だったに違いありません。

本日もたくさんの観光客の皆さんで賑わっております。

宇奈月のほうが。。。

本日29日からは七十二候でいう「霎時施(こさめときどきふる)」に入りました。
そしてそのとおり、本日は朝から冷たい雨がしとしとと降っています。
この冷気で紅葉も加速中。

昨日28日は晴天。
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(宇奈月駅)

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(宇奈月ダム近くの山)

宇奈月からトロッコに1時間以上も揺られて来なければならない欅平では、さぞかし紅葉が進んでいるのでは、と期待されて来るお客様もおられることでしょう。
しかしながら、標高が380mほどしか高くなく、気温で2、3℃しか変わらないこともあり、それほど大きな差はありません。
それどころか。
「なんなら宇奈月の方が紅葉進んでるんじゃない?」
と思われる方もいらっしゃるとか。
いえいえ。それはございません。

宇奈月の山に比べると、欅平の山は険しいのです。
峡谷の奥に進むにつれて川岸の岩壁はそそり立つように迫ってきます。

宇奈月あたりのなだらかな山の森は、欅平に比べると大木も多く、密生していて「厚み」があります。
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(もこもことした宇奈月湖畔の森)
なので、葉の量も多く、色づいた葉がたくさんまとまっているので目立つのです。
これから色づきが進めば、それはそれで見応えがあります。

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(欅平を代表する奥鐘山)
対して欅平では垂直に近い岩肌にへばりつくように樹木が生えるため、広葉樹の大木はあまり育ちません。なので、そもそも葉の量が少ないため、紅葉していても宇奈月ほど目立たないのです。

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(山頂はかなり色づいて見える名剣山)
量は少ないのですが色とりどりの葉の色と、所々に見える岩肌の色、その下を流れる急流の水の青さ。。。といった、宇奈月とはまた別の美しさが見られます。

これからトロッコ沿線も日毎に色合いを増していきますので、どうぞ、渓谷の地形ごとの紅葉をお楽しみください。

明日からは晴れるようです。「小春日和」。


【おまけ】
先週まで低温の日があまり続かなかったせいか、
途中で紅葉が足踏みしていたようで。
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命名「パンダもみじ」。

キャラメルの香り

欅平の紅葉は
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(昨日の祖母谷堰堤)
今のところ、まだ50から70パーセントくらいの色づきでしょうか。
観光ポスターで見るような鮮やかな紅葉を求めて来られた方々にとっては、まだちょっと残念な色合いではありますが、進んできてはいるのです。少しずつ。
明日あたりから朝の最低気温もグッと下がる予報なので、一気に進むかもしれません。

秋の気配を感じるのは、なにも視覚だけではありません。
嗅覚で感じる秋もあります。
カメムシの匂いかっ。と思い出されるかたもいるかもしれませんね。

トロッコの途中駅「笹平」でほのかに香ってきたのはキャラメルのような香りです。

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カツラの落ち葉です。
独特の「砂糖を焦がしたような匂い」が漂ってきます。

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葉は丸っこいハート型。
嗅覚の敏感な方は葉が緑のうちから「匂う」といわれますが
秋の落葉のころに一際感じられます。

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欅平ではカツラの木はあまりありませんが、黒薙駅から鐘釣駅沿線で川岸などに見つけられます。

皆さんもそれぞれの「秋の香り」を見つけてください。

来年の準備

まだ紅葉というには気が早い感じではありますが、ほんのり黄色やオレンジ色がかった部分も増え始め、ビジターセンター前の広場の落ち葉の量も日増しに増えてまいりました。
広場
(駅前広場から)※肉眼ではもうちょっと色づいてるように見えます(^^;)

「落葉」は葉の付け根に離層という部分があり、枝から切り離されることで起こります。
これは落葉樹に関わらず、樹木のほとんどで起こります。
サワグルミ落ち葉
(サワグルミの落ち葉)

落葉樹と呼ばれるものは、1年のうちで光合成に適した季節にのみ葉をつけます。
温帯の落葉樹であれば春から秋に葉をつけて光合成をし、寒い冬には全ての葉を落とします。
冬は気温が低いので、葉をつけていても光合成をして得られるメリットより、葉の維持に必要なコストの方が勝ってしまうからです。
ヤマザクラ葉
(ヤマザクラの葉)

一方、冬の間も緑の葉をつけている常緑樹は、そのあたりのコストパフォーマンスを良くしているのでしょう。落葉樹に比べると丈夫な葉を作り、その寿命は1年以上(~数年)ですが、やはり古くなったり、傷んだ葉は生産性が悪いので落葉します。
ツガ葉
(ツガの葉)

つまり、どのタイミングで葉を落とすかは樹木にとってのコストパフォーマンスが最適になるように調整されています。
落葉樹であれば気温条件によって大きく左右されます。

葉を落とすとき、葉に含まれる養分や、葉の働きに必要な成分はなるべく多く回収して、次に作る葉に使うために枝や幹などに貯蔵します。
回収や貯蔵をするために、葉の中でさまざまな形に組み立てられているものをいったん分解しなければなりません。

まず最優先で回収しようとするものが光合成色素のひとつ、葉の緑色を作り出している葉緑素(クロロフィル)の成分です。これが分解されていくと緑色がだんだん薄くなり、紅葉もしくは黄葉します。
黄色くなるものは、もともと葉に含まれている黄色の色素(カロテノイド)が、緑色が消えたことによって見えるようになった状態です。
赤くなるものは、落葉の前に新たに葉の中で赤い色素(アントシアニン)が作られることによって起こります。これも緑色が薄くならなければ見えません。
キブシ紅葉
(一部分だけ赤くなったキブシの葉)

ヒトの目を楽しませてくれる紅葉ですが、実は植物の葉の中では着実に来年のための準備をしています。

そして、この「葉が赤くなる」現象、どういう仕組みで赤くなるのかは解明されていますが、「何故」赤くなる必要があるのかということについては、諸説ありますが、まだはっきりとは解明されていないのだそうです。
これはなんとなくこのまま解き明かされず、いつまでも自然の不思議のひとつであってほしいなと、ちょっと思います。

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